こんにちは。行政書士 江森事務所です。
前回のブログでは、許可を取るための「5つの高いハードル(要件)」についてお話ししました。要件をクリアできる見込みが立ったら、次に決めなければならないのが、「どの種類の許可を申請するか」です。
建設業許可は、実はひとくくりではなく、事業の規模やエリアによっていくつかの区分に分かれています。今回は、その代表的な区分を分かりやすく解説します。

  1. 1. 営業所の場所で決まる「知事許可」と「大臣許可」

まずは、どこで営業を行うかによる区分です。「県外の現場でも仕事ができるか?」という質問をよくいただきますが、その答えがここにあります。

■ 知事許可(多くの地元の建設業者様はこちら)
対象: 1つの都道府県内だけに営業所を置く場合。
特徴: 例えば「埼玉県内」だけに事務所があれば、現場が東京都や神奈川県であっても、知事許可で問題なく施工できます。

■ 大臣許可
対象: 2つ以上の都道府県に営業所を置く場合。
特徴: 「本店は埼玉だが、支店を川崎(神奈川)にも出したい」という場合は、国土交通大臣の許可が必要になります。

  1. 2.下請契約の金額で決まる「一般」と「特定」

ここが最も重要なポイントです。発注者から直接工事を請け負う(元請)際、下請に出す金額の大きさによって区分が変わります。

■ 一般建設業許可
対象: ほとんどの建設業者様。
ルール: 元請として受注した工事で、下請に出す金額の合計が5,000万円(建築一式は8,000万円)未満である場合。
特徴: 財産要件も「500万円の資金調達能力」で済むため、取得しやすいのが特徴です。

■ 特定建設業許可
対象: 大規模な工事を元請として受注し、多額の下請発注を行う業者様。
ルール: 下請に出す金額の合計が5,000万円(建築一式は8,000万円)以上になる場合。
特徴: 下請保護の観点から、財産要件(資本金2,000万円以上など)や専任技術者の要件が非常に厳しく設定されています。

  1. 3.注意!「一式」と「専門」の使い分け

「建築一式」の許可を持っていれば、あらゆる専門工事を請け負えるわけではありません。

一式工事: 総合的な企画・管理が必要な大規模な工事。
専門工事: 大工、内装、電気など特定の技術による工事。

500万円以上の専門工事を「単独で」請け負う場合は、たとえ一式の許可を持っていても、その業種の許可が別途必要になります。自社がメインとしている工事内容がどちらに該当するか、正しく見極めることが大切です。

行政書士からの一言アドバイス
「今は一般許可で十分だけど、将来は支店を出して特定許可も目指したい」 そんなビジョンをお持ちの方も多いかと思います。
建設業許可は、一度取得して終わりではなく、事業の成長に合わせて「アップグレード」していくものです。しかし、区分が変われば求められる要件(特に財産面や技術者の資格)も一気に厳しくなります。
江森事務所では、今の事業規模に最適な許可の選択はもちろん、「将来を見据えたステップアップ」のための戦略的なアドバイスも行っています。
「うちは特定が必要になるのかな?」「今の資格でどこまでカバーできる?」といった疑問に、法務のプロとしてフラットにお答えします。
建設業許可の区分相談・シミュレーションはこちら https://emori–office.com/

こんにちは。行政書士 江森事務所です。

前回のブログでは、どんな時に建設業許可が必要になるのか、その「境界線」についてお話ししました。
今回は、いざ許可を取ろうと決めた際に必ず立ちはだかる「5つの許可要件」について詳しく解説します。
建設業許可は、書類を揃えれば誰でも取れるというものではなく、会社(または個人事業主)が一定の基準を満たしている必要があります。

  1. 1.経営業務の管理責任者がいること(経営能力)

    通称「経管(けいかん)」と呼ばれます。建設業は動く金額が大きく、工期も長いため、経営そのものに一定の経験が求められます。
    要件: 建設業の経営者(法人の役員や個人事業主)としての経験が原則5年以上あること。

    チェックポイント: 過去の確定申告書や、役員として登記されていた期間の証明が必要です。
    「ただ現場に長くいた」だけでは認められないのが難しいところです。

  2. 2.専任技術者がいること(技術能力)

    各営業所に、その業種の専門知識を持つプロを常駐させなければなりません。
    要件: 国家資格(1級・2級建築施工管理技士など)を持っているか、あるいは10年以上の実務経験があること。

    チェックポイント: その営業所に「常勤」している必要があります。他の会社で社員をしていたり、別の営業所の技術者と兼ねたりすることはできません。

  3. 3.誠実性があること

    請負契約において、不正や不誠実な行為をする恐れがないことが求められます。
    内容: 暴力団員でないことはもちろん、過去に建設業法で重い処分を受けていないかなどがチェックされます。

  4. 4.財産的基礎・金銭的信用があること

    工事を途中で投げ出さないための「体力」があるかを審査されます。
    要件(一般建設業の場合): 自己資本が500万円以上あること、または500万円以上の資金調達能力(銀行の残高証明書など)があること。

    タイミング: 直近の決算書で純資産が500万円を下回っている場合は、銀行から「500万円以上の融資可能証明」などを取得する必要があります。

  5. 5.欠格要件に該当しないこと

    役員や事業主が、法律で定められた「欠格事由」に該当していないことが条件です。
    例: 破産者で復権していない、精神の機能の障害により業務を適正に行えない、禁固以上の刑を受けてから一定期間が経過していない、など。

行政書士からの一言アドバイス

建設業許可の申請で最も多い悩みは、「要件を満たしていることを証明する書類が残っていない」というケースです。
「5年前の確定申告書を紛失した」「当時の実務経験を証明してくれる会社が倒産してしまった」など、過去に遡って証拠を集める作業は非常に困難を極めます。
江森事務所では、資料にあるような複雑な要件を一つずつ整理し、今の状況から「最短で許可を取るための代替案」や「将来の取得に向けた準備」をアドバイスいたします。
「うちは要件を満たせているのかな?」と少しでも不安に思われたら、まずは一度、現状をお聞かせください。
建設業許可の要件診断・申請サポートはこちら https://emori–office.com/ (埼玉・川崎エリアの建設業者様を全力でバックアップします!)

こんにちは。行政書士 江森事務所です。

建設業を営む皆さまにとって、避けては通れないのが「建設業許可」の問題です。
「うちは小規模だから大丈夫」と思っていても、気づかないうちに法令違反のリスクを背負っているかもしれません。
今回は、建設業許可の基本的な仕組みと、許可が必要になる「境界線」について、行政書士の視点から分かりやすく解説します。

  1. 1. なぜ「建設業許可」が必要なのか?

    建設業法という法律では、建設業の許可制度の目的を次のように定めています。
    建設業者の資質の向上
    請負契約の適正化(適正な取引)
    適正な施工の確保と発注者の保護
    つまり、「手抜き工事や不当な契約を防ぎ、誰もが安心して建物を建てたり直したりできる社会を作る」ためのルールなのです。
  2. 2.許可が不要な「軽微な建設工事」とは?

    全ての工事に許可が必要なわけではありません。以下の範囲内の「軽微な工事」であれば、無許可でも請け負うことが可能です。

【ここが落とし穴!】
金額は「税込」で判定します: 税別で480万円でも、税込で528万円になれば「許可」が必要です。
分割発注は合算されます: 1つの工事を「300万円」と「300万円」に分けて契約しても、合計600万円となり、許可がないと請け負えません。
無許可営業の罰則: この範囲を超えて無許可で請け負うと、3年以下の懲役または300万円以下の罰金という非常に重い罰則の対象となります。

  1. 3.許可が必要なのは「元請け」だけじゃない?

    「下請けだから許可はいらない」というのは大きな間違いです。
    元請人: 施主から直接受ける場合
    下請負人: 元請から受ける場合、または二次下請け以降の場合
    どの立場であっても、前述の「軽微な工事」の範囲を超えるのであれば、許可は必須となります。

  2. 4.知っておきたい「29の業種」

    建設業許可は、29種類の業種ごとに受ける必要があります。

    ① 一式工事(大規模なまとめ役)

    総合的な指導・調整が必要な大規模工事です。
    土木一式工事:橋やトンネルなどのインフラ整備
    建築一式工事:建物の新築や大規模増改築

    ② 専門工事(各分野のプロ)

    特定の技術に特化した工事です(27種類)。
    大工、電気、管、屋根、内装仕上、造園、消防施設など

    【勘違いしやすいポイント】
    「建築一式」の許可を持っていれば、どんな工事でもできると思われがちですが、そうではありません。例えば、500万円以上の「屋根工事」だけを単独で請け負うなら、「屋根工事業」の許可が別途必要になります。

  3. 5.行政書士に相談するメリット

    建設業の許可は、一度取れば終わりではありません。
    許可の更新: 5年ごとの更新を忘れると失効してしまいます。
    経営事項審査(経審): 公共工事への参入を目指すには、より複雑な審査が必要です。
    法令遵守のパートナー: 建設業法は改正も多いため、専門家のアドバイスが事業の守りになります。

まずは「自社の状況」をチェックしましょう

少しでも迷われたら、まずは専門家へご相談ください。正しい許可を取得することは、発注者や元請会社からの信頼を勝ち取り、事業を拡大するための「最強の武器」になります。
建設業許可の新規申請・更新・管理のご相談はこちら
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(複雑な書類作成から、取得後のアドバイスまで徹底サポートいたします)

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