こんにちは。行政書士江森事務所です。
旅行業を開業する際には、旅行業法に基づく旅行業登録が必要となります。また、営業開始にあたっては営業保証金の供託や、旅行業協会への入会を検討することになります。
今回は、旅行業登録の主な要件と、旅行業協会(JATA・ANTA)へ入会する際のポイントについて解説します。
旅行業登録の3つの主な要件
旅行業や旅行業代理業を営む場合は、行政庁への登録申請が必要です。
1. 人的要件(旅行業務取扱管理者)
旅行業者は、営業所ごとに国家資格を有する「旅行業務取扱管理者」を1名以上、常勤で配置しなければなりません。
旅行業務取扱管理者は、旅行契約や取引に関する管理業務を担う重要な責任者です。
2. 財産的要件(基準資産額)
旅行業登録には、一定以上の基準資産額が必要です。
基準資産額とは、資産から負債を差し引いた額を指します。
主な基準は以下のとおりです。
- 第1種旅行業:3,000万円以上
- 第2種旅行業:700万円以上
- 第3種旅行業:300万円以上
申請前に決算書の内容を確認し、要件を満たしているか確認することが重要です。
3. 事務所要件
旅行業を営むためには、営業活動を行う事務所を確保する必要があります。
賃貸借契約書などにより、継続的に使用できる営業所であることを確認します。
営業保証金と弁済業務保証金分担金
旅行業登録後は、営業開始前に保証金に関する手続きが必要となります。
1. 営業保証金
旅行業協会へ加入しない場合は、営業保証金を供託しなければなりません。
第3種旅行業の場合は300万円の営業保証金が必要となります。
2. 弁済業務保証金分担金
旅行業協会(JATAまたはANTA)へ加入する場合は、営業保証金の代わりに弁済業務保証金分担金を納付します。
第3種旅行業の場合、必要額は60万円となり、営業保証金と比較すると負担を抑えることができます。
ただし、別途入会金や年会費などの費用が発生します。
実務上の注意点
旅行業登録では、基準資産額の判定が重要なポイントとなります。
実務上、営業権や繰延資産などは基準資産額の計算に算入できません。
そのため、決算書上は十分な純資産があるように見えても、旅行業法上の基準資産額を満たさず登録要件に適合しないケースがあります。
申請前に決算内容を確認し、要件を満たしているか慎重に検討することが重要です。
旅行業登録のご相談
当事務所では、
- 旅行業登録申請
- 基準資産額の事前診断
- 旅行業務取扱管理者の要件確認
- 営業保証金・弁済業務保証金分担金に関するご相談
- 申請書類の作成支援
などをサポートしております。
埼玉県・川崎市エリアを中心に、オンラインでのご相談にも対応しております。
旅行業登録に関する要件確認や手続きのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
旅行業登録の実務相談はこちら
(埼玉・川崎エリア対応。法令に基づく確実な手続きをサポートいたします。)
風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業届出は、どちらも飲食店営業に関係する制度ですが、必要となる場面や要件が異なります
飲食店を開業する際、「風俗営業許可が必要なのか」「深夜酒類提供飲食店営業届出で足りるのか」が分からず悩まれる方は少なくありません。
今回は、風営法に基づく風俗営業1号営業許可(ラウンジ・キャバクラ等)と、深夜酒類提供飲食店営業届出の主な要件について解説します。
風俗営業許可(1号営業)とは
風俗営業許可とは、接待を伴う飲食店営業を行う場合に必要となる公安委員会の許可です。
ラウンジ、キャバクラ、クラブなどで、従業員がお客様の隣に座って会話をしたり、お酒を作ったりする接待行為を行う場合は、原則として風俗営業許可が必要となります。
風俗営業許可の主な要件
1. 人的要件
申請者や管理者には欠格事由が定められています。
例えば、過去5年以内に風営法違反や一定の犯罪歴がある場合は、許可を取得できない場合があります。
2. 場所的要件
営業所の周辺に学校、病院、図書館などの保全対象施設がある場合は、営業できないことがあります。
必要な距離は都道府県条例によって異なるため、事前確認が重要です。
埼玉県や神奈川県でも地域ごとに規制内容が異なるため注意が必要です。
3. 構造設備要件
営業所の構造にも基準があります。
例えば、
- 和風客室:9.5㎡以上
- 洋風客室:16.5㎡以上
などの基準が定められています。
また、客席の見通しを妨げる設備がないことも求められます。
深夜酒類提供飲食店営業届出とは
深夜酒類提供飲食店営業届出とは、午前0時から日の出までの時間帯に、酒類を主として提供するバーなどを営業する場合に必要な届出です。
風俗営業許可とは異なり、公安委員会への「届出」となります。
深夜酒類提供飲食店営業届出の注意点
接待行為は禁止
深夜酒類提供飲食店では、お客様に対する接待行為は認められていません。
接待を行う場合は、風俗営業許可の対象となる可能性があります。
用途地域の制限がある
深夜酒類提供飲食店は、都市計画法上の用途地域による規制を受けます。
一般的に商業地域などで営業が認められますが、住居専用地域では営業できません。
出店予定地が届出可能な地域かどうか、事前確認が必要です。
実務上よくある注意点
風俗営業許可や深夜酒類提供飲食店営業届出では、図面や用途地域の確認が重要です。
特に風俗営業許可では、客室面積が基準をわずかに下回るだけでも不適合となるケースがあります。
また、用途地域の確認不足により、契約後に営業できないことが判明するケースも見受けられます。
開業準備の段階で、現地調査や法令確認を行うことをおすすめします。
風俗営業許可・深夜酒類提供飲食店営業届出のご相談
当事務所では、
- 風俗営業許可申請
- 深夜酒類提供飲食店営業届出
- 用途地域調査
- 現地実測
- 図面作成
などのサポートを行っております。
埼玉県・川崎市エリアで風俗営業許可や深夜酒類提供飲食店営業届出をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
風営・深夜酒類の実務相談はこちら
こんにちは。行政書士 江森事務所です。
前回のブログでは、新しくビジネスを始める際に立ちはだかる「許認可」の基本と、
役所がチェックする「人・物・金」の3大基準についてお話ししました。
今回は、これから独立・起業を考えている方や、
個人で小さなビジネスからスタートして事業を大きくしていきたい方向けに、
特に参入者の多い「中古品のネット販売・転売ビジネス」と「飲食店営業(カフェやサロンでの飲食物提供)」
のリアルな注意点について解説します。
1,「お小遣い稼ぎ」のつもりでは済まされない!古物商許可のリアル
最近はメルカリやヤフオク、Amazonなどを利用して
、「安く仕入れた商品をネットで転売して稼ぐビジネス」から起業の第一歩を踏み出す方が非常に増えています。
ここで多くの方が勘違いしがちなのが、
「自分が使わなくなった不用品を処分するだけなら許可は不要」という点です。
しかし、「最初から転売して利益を出す目的で、中古品(古物)を買い取って売る」行為は、
たとえ個人の少額な副業であっても、立派な「ビジネス(営業)」とみなされます。
この場合、扱う金額の大きさに関わらず、事前に公安委員会(警察署)の
「古物商許可」を取得しなければなりません。
近年、フリマアプリの普及に伴い、警察による「無許可営業」の取り締まりや
インターネット上の巡回(サイバーパトロール)は非常に強化されています。
「知らなかった」「お小遣い稼ぎのつもりだった」は通用せず、
無許可営業とみなされれば、最悪の場合は逮捕され「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」
という重い刑事罰が科される実態があります。
役所(警察)が審査する最大のポイントは「人(誠実性と過去の経歴)」です
。盗品が市場に出回るのを防ぐための法律であるため、
経営者が「欠格事由(過去5年以内に窃盗罪などで罰金刑以上を受けていないか、破産して復権を得ていない者に該当しないか等)」をクリアしているかが厳しくチェックされます。
また、自宅ではなく賃貸マンション等を営業所(拠点の住所)にする場合は、
オーナー様の「使用承諾書」が必要になるなど、事前の物件確認も不可欠です。
- 2,カフェ、バー、美容サロンでの提供も!飲食店営業許可の落とし穴
「念願のカフェを開きたい」「居酒屋を経営したい」という方はもちろん、
最近では「美容サロンやコワーキングスペースの一角で、こだわりのコーヒーや軽食を提供したい」
という複合型のビジネスを計画する方も増えています。
このように、対価(お金)を得て食べ物や飲み物を提供するビジネスを始めるには、
保健所の「飲食店営業許可」が必須となります。
飲食店の場合、役所が最も厳しくチェックするのは「物(衛生設備)」です。
食中毒などを防ぐため、厨房のつくりに対して非常に細かいルールが定められています。
【ここが基準!】
物(厨房の設備基準)
厨房と客席(またはサロンスペース)が扉などで明確に区切られているか
調理場に、食器洗い用の「2槽以上のシンク(流し台)」があるか
従業員の手洗い用として、消毒液を備えた固定式の洗面ボウルがあるか
扉付きの食器棚や、冷蔵庫に温度計がついているか
人(資格の配置)
お店ごとに必ず1人以上の「食品衛生責任者」
(調理師や、保健所の講習を受けた人)を置かなければなりません。
行政書士からの一言アドバイス
中古品のネット販売も飲食店も、一見すると「手軽に始められそう」と思われがちですが、
ビジネスを軌道に乗せる前の段階でつまずいてしまう起業家の方がとても多いのが実態です。
特に飲食店の場合、「内装工事が終わってから保健所の検査を受けたら、
シンクのサイズが数センチ足りずに不合格になり、オープンが遅れて家賃だけが発生してしまった」
という悲劇が後を絶ちません。
これからビジネスを始める皆さまにとって、開業初期の資金と時間は何よりも貴重なリソースです。
江森事務所では、物件選びや図面の段階から法律上の基準をクリアしているかを厳しくチェックし、
一発で許可が下りるようサポートいたします。
最初のスタートダッシュで失敗しないためにも、ぜひ事業計画の段階で一度ご相談ください。
新規開業・副業スタートのための許認可相談はこちら https://emori–office.com/
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